君と一番の恋をする
「え、り、りくとくん?」

「俺寝てました……先輩、もう大丈夫ですか?10時くらいに倒れたって聞いて。午後の公演があったんで保健室来るのは、2回目なんすけど」

「じゃあ私、倒れてから、ずっと……?」

「俺が知る限りでは、そうですね」



夕日の光に照らされて話す陸人くんを前に、私には絶望と後悔が襲ってくる。

なんで、倒れたりなんかしたんだろう。無理してでも、頑張れなかったのかな。



「……ごめんね陸人くん。迷惑かけちゃったね。ほんと、ごめんね」



陸人くんにとって高校で初めての文化祭だったのに。私に時間を使って、無駄にさせてしまった。



「陸人くん。私、もう大丈夫だからさ。後夜祭、参加してきてほしいな」

「……なんで」



私が言うと、陸人くんが眉をひそめながら珍しく否定してくる。

なんでって、言われたって。

好きな人と、一緒にいたほうがいいって思うから。私じゃなくて。

だけど、そんなこと言えるわけなかった。
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