君と一番の恋をする
「見て見て絵筆ちゃん!数学64点だよ!」

「えっ!?数学嫌いな麻里花60点越えなんて……。すごいよ!よかったね!」

「ありがとー!」



12月始めの二学期期末テストが終わり、もう後は冬休みが来るのを待つのみとなった。
正直、あれから陸人くんとはまともな会話をしていない。それ以前に全然会わないから、話す機会すらないんだけど。

絵筆ちゃんや奈央ちゃんと話して、まーほとの関係を進展させる気のない侑人に呆れたりして。
部活やって、勉強も頑張って。


まるで、夏休み前に戻ったみたい。

これでいいんだよ。

身の丈に合わない恋をするから、こうなってしまう。

自分の気持ちに気が付かなければ、このままずっと、仲のいい先輩後輩でいられたのに。

あ、陸人くんにとってはそうじゃないんだっけ。


……でも、よく考えてみれば、陸人くんだって私と同じような気持ちなのかもしれない。

兄と好きな人が被る……っていう。全然違うか、一緒なんて言ったら失礼だな。
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