君と一番の恋をする
「あんた大丈夫?最近元気ないけど」

「え……うん、大丈夫だよ!」

「そう?ならいいんだけど」



部活のとき、美葉ちゃんにそんなことを言われてしまった。バカだなあ、心配かけるなんて。

そろそろいつもの自分、取り返していかないと。さすがにずっと引きずったままなんていやだよ。

ほら、もうすぐ冬休みだし。学校がないから必然的に陸人くんには会わなくてすむし、ちょっと忘れられるかも。


そうだ。冬休みの予定について、絵筆ちゃんと奈央ちゃんに連絡してみようかな。あの二人、いつのまにか結構仲良くなっててびっくりしたけど、うれしいことだ。

部活終わり、廊下に立ち止まってブレザーのポケットからスマホを取り出そうとしたとき。



「麻里花先輩!」



私の名前を呼ぶ声が、廊下を駆け抜ける。

誰かなんてすぐにわかった。あの声。

それに、私のこと“麻里花先輩”なんて呼ぶ人は、一人しかいない。
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