君と一番の恋をする

「……麻里花」

「え、どうしたの?」



奏太くんが急に立ち止まって私の名前を呼ぶ。



「俺さ、後悔してることがあるんだ」

「後悔してること?」



そう聞き返すと、奏太くんは頷いた。



「……今まで、ていうか中学生のころからかな。互いに時間が合わなくなったりとか、思春期ってのもあって同じ部室にいても小学生だったころより話さなくなったよね。そのせいで、関係も曖昧になって。近くにいたのに、麻里花になにもできなかったから」



……友達の力になれなかったから、後悔している。たぶん、奏太くんが言いたいのはそういうことなんだろう。

知らなかった。ずっと私だけが、気まずい曖昧な関係だと思っていたから。理由は違えど、根本の気持ちは似たようなものだったんだ。

それを今の今までずっとひっぱり続けてここまで来てしまったから、戻し方が分からなくなった。忘れてしまった。

……話し合うって、単純だけど、結局一番大切なのかもしれない。



「ありがとう、奏太くん。私も同じようなこと考えてた。……また、前みたいになれるかな?」

「それは、分からないけど」

「分からないんかいっ」



私は思わずツッコむ。

そういうちょっと正直すぎるところも、奏太くんらしい。

歩いてきた道を戻って、隣に並んで再び歩き出す。
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