君と一番の恋をする
「なーんでこのメンツでお昼を食べなきゃならーん」
「いや、確かに不思議だよね、まーほ……」
私の隣には陸人くん。目の前にはまーほ。そして斜め前に座っていた侑人は、今パンを買いに行っている。
長いテーブルにはたくさんの集団が話しながら食事を取っている。
ではなぜ、ここのグループだけ兄弟姉妹二組が一緒にいるんだろうか。
「俺だって、先輩と二人がよかったですよ。真由帆はまだしも、さすがに平日の昼くらい侑人と別々の食卓を囲みたかった」
「私は別にご飯食べられるなら誰でもいーけどさ、さすがに意味わかんない」
と外では軽く猫を被っているまーほもはっきり言っている。
「しかたないだろ、あいつが二人っきりじゃ無理だとか言うんだから」
「なにあんた、侑人先輩に弱みでも握られてんの?」
「まあ、二人とも……」
「お姉ちゃんはいいの?」
「うん、いいよ!大勢のほうが楽しいし、侑人がそうほうがいいなら!」
と素直に答えると、まーほが微妙そうな顔をしてから陸人くんのほうを見る。
「だってよ、陸人。あんたも可哀相ね」
なんて意味深なことを言っていたけど、私にはよくわからなかった。
でも侑人にまだその気があるなら、応援したいと思う。まあ、諦めたりしないか、侑人のことだし。それがあいつだからね。