君と一番の恋をする
疑問になって何気なく聞いてみると、ふいっと顔を逸らされた。
え、聞いちゃまずかったかな。
申し訳ない気持ちになって慌てて謝ろうと口を開こうとしたら。



「……侑人だけ」

「え?」

「……先輩、侑人のことだけ呼び捨てだから。真由帆のことですら呼び捨てじゃなくあだ名なのに……。なんか、嫌です。先輩にとって侑人のことが特別な感じがして。ほんとはそんなことないって、分かってるんですけど」



そ、それって。

もしかして……嫉妬?

なわけ、ないか……そんな経験なんてないから勘違いするところだった。危ない。

私はポケットからスマホを取り出して時間を確認する。



「あ、陸人くん、もうすぐ電車来るよ!」



一瞬でも勘違いしたのが恥ずかしくなって、ごまかすように話題を変えたら。

優しい力でぎゅっと右腕を掴まれる。

びっくりして、スマホを膝の上に落としてしまった。
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