君と一番の恋をする
「……兄の話では、先輩は侑人が真由帆が好きだということを知っているんですよね。だから、良ければ協力していただきたいなって思って」
「協力?」


頑張って理解はしようとしているつもりだけど、うまく陸人くんの言葉の意味が掴めない。
すると、ここで五時間目前の予鈴が鳴る。


「時間もないので手短に。……つまり、侑人と麻里花先輩の妹———真由帆の関係の後押しを俺としてくれませんかってことです。ぶしつけなお願いだってことは分かってるんで、するかしないかは先輩にお任せします」


陸人くんは言い終わると、私に向かって頭を下げてきた。
まさかそこまでされるとは思わなくて、その行動に身をたじろいでしまう。

—————侑人と、まーほ。
別に嫌なわけではないけど、まーほのことを考えれば付き合う可能性としてはゼロに近いのかもしれない。
でも、陸人くんにとって“可能性”はどうってことない問題みたいだ。
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