君と一番の恋をする
「あ」
「え、どうしたの?」


陸人くんが短く声を上げたので近づいてスマホを覗き込む。メッセージを打ち込む欄には、なにか書いてある。


「……たぶん、書くだけ書いてそのまま寝落ちでもしたんじゃないですか」
「なんでそんな他人事なんだよ」


侑人がそうツッコむと、陸人くんは一瞬頭を悩ませるようなそぶりをする。
数秒後、意を決したように頷いてこちらを見た。


「麻里花先輩」
「え、あ、はい!」


ちょっと真剣な空気に押されてピシッと姿勢を正す。


「侑人が真由帆とのデートに誘い次第、麻里花先輩には俺と二人で侑人たちの尾行してもらいます」
「え、ん??」

陸人くんはなぜか少し意地悪そうな笑みを浮かべた。


「協力してもらえますか?」

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