君と一番の恋をする
そして、無意識にぼーっと見ていたら。
突然、顔に衝撃が走った。
「うぐっ」
顔のパーツが全てつぶれるような感覚がして、慌てて抑える。
一体なにがあったんだ!?
すると足元で、ボトッとボールの転がる音がした。
まさかとは思うけど、顔面にボールが直撃したんじゃ……。
「すみませーんっ!」
薄目を開けながらボールを拾ったところで、男バスの部員であろう一人の男の子がこっちに向かって大きく手を振って走ってくるのが見えた。
もしかして、ボールを取りに来るのかな。
それなら、私が投げたほうが早い気がする。球技に自信はないけど……。
「なっ、投げますよー」
「あ、ありがとうございます!」
男の子が止まってくれたので、私はボールを胸あたりまで掲げる。
両手で掴んで、思いっきり……!
ぎゅっと力を込めて全力で投げた玉は、高く高く……。
とはいかずに低い位置で急降下して、そのままごろごろと転がっていった。
しかもそれが、男の子よりも全然遠い位置で止まってしまい、結局走ってもらう羽目になってしまった。一番遠くに飛びそうなやり方でやったのに、恥ずかしい……。
「ごめんなさいっ!」
「いえ!ありがとーございますー!」
私が謝ると、ここからでも分かる爽やかな笑顔でボールを抱えながらお礼を言い、向こうへ駆けて行った。……まさか、こんなところで運動神経が必要になるとは。
あの子以外は誰も見ていないことを願い、私は体育館を後にした。
突然、顔に衝撃が走った。
「うぐっ」
顔のパーツが全てつぶれるような感覚がして、慌てて抑える。
一体なにがあったんだ!?
すると足元で、ボトッとボールの転がる音がした。
まさかとは思うけど、顔面にボールが直撃したんじゃ……。
「すみませーんっ!」
薄目を開けながらボールを拾ったところで、男バスの部員であろう一人の男の子がこっちに向かって大きく手を振って走ってくるのが見えた。
もしかして、ボールを取りに来るのかな。
それなら、私が投げたほうが早い気がする。球技に自信はないけど……。
「なっ、投げますよー」
「あ、ありがとうございます!」
男の子が止まってくれたので、私はボールを胸あたりまで掲げる。
両手で掴んで、思いっきり……!
ぎゅっと力を込めて全力で投げた玉は、高く高く……。
とはいかずに低い位置で急降下して、そのままごろごろと転がっていった。
しかもそれが、男の子よりも全然遠い位置で止まってしまい、結局走ってもらう羽目になってしまった。一番遠くに飛びそうなやり方でやったのに、恥ずかしい……。
「ごめんなさいっ!」
「いえ!ありがとーございますー!」
私が謝ると、ここからでも分かる爽やかな笑顔でボールを抱えながらお礼を言い、向こうへ駆けて行った。……まさか、こんなところで運動神経が必要になるとは。
あの子以外は誰も見ていないことを願い、私は体育館を後にした。