君と一番の恋をする
駅についたので、ICをかざして改札を通る。
実は今日、詳しく話をするために陸人くんには吹部の活動の終わる最終下校の18時半まで待たせてしまっていた。

適当に暇つぶししてますよ、とかメールでは言ってたけど、バスケ部の終わった後の約一時間もの空白の潰し方を私は知らない。

勉強でもしてたのかな、と思う。だけど申し訳ない気持ちは変わらないので、お詫びに今日はイエスマンでいようと決めていた。


「それで、そのデートのことなんですけど」
「ああうん、どうしたの?」


そういえば、尾行するって話だったよね。
正直そこまでするのって大変なんじゃないかと思うけど、陸人くんはやるって言っていた。
それほどに陸人くんは侑人のことが好きなのか、それともなにか侑人に弱みでもにぎられてるのかは分からないけど。

今日の私はイエスマン。どんなことだってオッケーする準備は出来ている。
ホームの空いている席に並んで座ると、陸人くんが一呼吸置いた。


「俺たちも、デートしませんか」


…………ん??
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