君と一番の恋をする
間違った感情


辺りで適当に時間を潰した後、侑人とまーほのデート尾行を再開させた私たちは、現在ショッピングモールに設置された映画館近くの店内にいた。


「そろそろたぶん、出てきますよ」
「……確認なんだけど、陸人くんが常々侑人に連絡してアドバイスするってことでいいんだよね?」
「それで、そのアドバイスに麻里花先輩にも協力してほしいってことです」
「なるほど、了解!」

「先輩、声大きいです」
「ご、ごめんなさい……はは」


笑ってごまかすと、陸人くんが呆れたように私を見下ろした。
その表情にちょっと複雑な気持ちになりながらも、ちょっとお店の外に出る。
すると、ちょうど侑人とまーほが映画館から出てきたところだった。

侑人はというと、緊張はしているみたいだけど得意というかなんというか、人を引き込ませるいい意味でのマシンガントークをしているみたいだった。
そして、それをクールに聞き流すまーほ。てかあれ絶対聞いてないでしょ。

まーほの脳は今確実に機能停止している、と思いながら二人の様子を見守る。
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