君と一番の恋をする
「ちげーし。お前ら早く行って来いよ」


うっとうしそうに手をひらひらさせると、男の子たちは左側の方向へ去っていった。
……まあ、そうだよね。っていうか、私なんでがっかりしてるんだろう。おかしい。
私って陸人くんにとってどういう存在なんだろう。友達……とは違うかな。

知り合いからちょっとはランクアップしてると私としてはうれしいんだけど。あわよくば、仲のいい先輩後輩とか。


「すいません」


自動ドアが開いて、陸人くんが店内に入ってきた。
その様子はちょっと焦ってるみたいで。


「とりあえず出ましょう」
「っ、ねえ、陸人くん」


外へ出て私は思い切って話しかける。
だって、あまりにも突然だったからどういうことかわからない。
入口から少し離れたところで立ち止まり、陸人くんは言った。


「……あれは、まあ、同級生です。たまたま会って」
「……うん、そうなんだ」


なんとなくそうかなとは思ってたけど。
……じゃあなんで、私のことを。
と尋ねようとすると。
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