君と一番の恋をする
『麻里花、今日は本当にありがとう。陸人にもお礼を言っておいたよ』
『そっか。よかったよ!』
ベッドに座り、気持ちとは裏腹に元気なメッセージを送る。
あの後のことは知らないけど、侑人の文面からするにかなりうまくいったみたい。
これから先は分からないけど、今日で感覚をつかんだ侑人はなんだかんだ頑張ってまーほにアプローチしていくのかな。それをまーほがどう受け取るのかも、分からないけど。
……問題は、陸人くんのこと。
かなりの高確率でまーほのことが……好き、だよね。
あれだけ証拠が出そろってるんだから、好きじゃないって言われても嘘なんじゃないかって思うくらいだ。
私はそのままベッドに倒れる。
どうしよう。侑人も陸人くんもまーほが好き。兄弟だけど、まさか好きな女の子のタイプまで似てるとは。
陸人くんに関しては、まだ確信じゃないけど……。
もし仮に二人がまーほのこと好きだとして、どっちか一人を応援することなんてできない。
でも、もしまーほが磯田兄弟のどちらかと付き合うんなら、一人は諦めなきゃならない。
……二人が幸せになる方法って、ないのかな。
というか、まーほもまーほだ。兄弟二人をいっぺんに虜にするなんて。
まあ、姉のひいき目なしにしてもあれだけ可愛くて勉強も運動も完璧なんだもんね。好きになっちゃうのも仕方ないか。
姉としては、妹が人から嫌われてるよりは全然いいと思うけど。