君と一番の恋をする
しばらくぼーっとしていると、右手に握ったスマホがとつぜん震えた。
何だろうと思い見てみると、誰かからの着信。

相手を確認すると、絵筆ちゃんだ。
出ると、絵筆ちゃんはどうやら泣いているみたいだった。

そして。


『麻里花ちゃんどうしよう!清くんと喧嘩しちゃったよ!!』


電話越しにそう叫んできた。


「え、清くんと喧嘩!?」


びっくりして、私は思わず起き上がった。だって、清くんと絵筆ちゃんが喧嘩なんて信じられない。
二人ともおだやかで優しいし、喧嘩なんて一番無縁そうなのに。
だけど私はとりあえず、絵筆ちゃんの話を聞くことにした。


「喧嘩したの?清くんと」
「うん……」


ずずっと鼻をすする音が聞こえ、泣くなんて結構な喧嘩なんだと察する。

「……あのね、なんか、清くんかっこいいねって言ったら、絵筆ちゃんこそかわいいよって言ってくれて」
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