君と一番の恋をする
休み時間ずっと、私は奈央ちゃんと一緒にいた。ほっとくよりも、話しかけてくれたほうが気がまぎれるんだって。

たわいもない会話を重ねているだけなのに、知らない奈央ちゃんを知っていくみたいでうれしい。
なんだかんだ私たち二人の間には侑人の存在があったから、新鮮……っていうか、それ以外の奈央ちゃんを見れた気がして。


お昼のお弁当は、絵筆ちゃんも交えて久しぶりに教室で食べた。

うわさで聞いていたら別だけど、絵筆ちゃんは奈央ちゃんが侑人のこと好きって知らないと思う。

事情を知らない絵筆ちゃんを巻き込んでしまって申し訳ない。そう思っていたけど、二人は会話を弾ませていて、私は少しほっとしていた。


「佐藤さーん、いるー?」


お弁当を片づけている途中、私の名前を呼ぶ声が教室に響いた。

私は慌てて返事をする。


「麻里花、ごめん。昼休みに」

「あ、奏太くん……」


私たちの席の近くに、その姿は現れる。
私に用があったのって奏太くんだったんだと、すぐに察した。

やっぱりちょっと気まずい……けど、この前よりも全然大丈夫。
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