君と一番の恋をする
「……それはない、けど。……恋を諦めたことはあるかな。もうずっと前のことだけど」
「そっか、ありがと。こんなこと聞いてごめん」
「いいよ。何でも聞いて……は、ちょっとおかしいか」
ははっと軽く笑ってみれば、奈央ちゃんも微笑む。今日、初めて見た笑顔だ。
奏太くんの言った通り、やっぱり笑顔のほうがいい。笑えない日は、明日笑えるようにって。
「私ね」
「うん」
私は続きの言葉に耳を傾ける。
奈央ちゃんは一つ深呼吸をして、口を開いた。
「……昨日二人のこと見かけたとき、ああ、だめだなって思ったの。磯田くんと歩いてるのが麻里花の妹だってことは、すぐにわかった。美人って有名だから。あんなに可愛い子に、私じゃかなわないって思った」
真っ直ぐこちらを見つめる瞳は揺れ、うるんでいる。
だけど涙は、零れ落ちない。
「……けど、ほんとはそれだけじゃなくてね。あんたの妹といる磯田くんを見て思ったの。……ああ、好きなんだなって。磯田くんは、彼女のこと。……っもっと、頑張っておけばよかった。遠くから見てるだけじゃダメなんだって、磯田くん自身に、私は教えてもらっちゃった」
「そっか、ありがと。こんなこと聞いてごめん」
「いいよ。何でも聞いて……は、ちょっとおかしいか」
ははっと軽く笑ってみれば、奈央ちゃんも微笑む。今日、初めて見た笑顔だ。
奏太くんの言った通り、やっぱり笑顔のほうがいい。笑えない日は、明日笑えるようにって。
「私ね」
「うん」
私は続きの言葉に耳を傾ける。
奈央ちゃんは一つ深呼吸をして、口を開いた。
「……昨日二人のこと見かけたとき、ああ、だめだなって思ったの。磯田くんと歩いてるのが麻里花の妹だってことは、すぐにわかった。美人って有名だから。あんなに可愛い子に、私じゃかなわないって思った」
真っ直ぐこちらを見つめる瞳は揺れ、うるんでいる。
だけど涙は、零れ落ちない。
「……けど、ほんとはそれだけじゃなくてね。あんたの妹といる磯田くんを見て思ったの。……ああ、好きなんだなって。磯田くんは、彼女のこと。……っもっと、頑張っておけばよかった。遠くから見てるだけじゃダメなんだって、磯田くん自身に、私は教えてもらっちゃった」