君と一番の恋をする
私が背中を押すと、意外にも簡単に絵筆ちゃんと清くんは仲直りをして、いつもの仲の良さを取り戻していた。
奈央ちゃんも侑人のこと、少しは吹っ切れた様子でよかったなって思う。
そして数日が立ち、1週間後に文化祭を控えた等花高校の校舎内は、いつもより生徒たちが慌ただしく動いていた。
現在は放課後で、みんなでクラス内の出し物の準備をしている。
「麻里花ー、衣装できたってー!」
「はーい!」
連絡係の子に呼ばれて、私は女子更衣室に向かった。
前も言ったように、私たちのクラスの出し物は童話カフェ。衣装はレンタル屋や演劇部で使わない衣装を借りたり、作ったりしてる。
私の担当の白雪姫はいいのがなかったから、衣装班の手作りみたい。というか、人の服を作れちゃうって、すごいよね〜。
更衣室の扉を開けると、クラスメイト二人が紙袋を持って立っていた。
「あっ、麻里花、きたーっ!」
「ごめん、待たせちゃった?」
「ううん、大丈夫だよ。早速だけど麻里花ちゃん、着てみてもらってもいいかな?」
「了解!」
紙袋を渡され二人は更衣室から出ていく。
私は中から、さっそく取り出してみた。