君と一番の恋をする
「わあっ、すごくかわいい……!」


私は思わず声を上げる。
たっぷりとしたバルーンスリーブに、青と黄色の、あのよく見る色合いのドレスだ。ところどころにちりばめられたパールがかわいい。
もう一つ、中には大きな赤いリボンのカチューシャが入っていた。
私は心躍らせながらも、二人をあまり待たせないよう急いで着替える。

しわも整え、最後にカチューシャをしようと姿見の前に立った。


「あ……」



私は、衣装を着た自分をじっと見る。

……たしかに、私は今、白雪姫だ。誰が見ても、この衣装のおかげで。
だけど私にはやっぱり、白雪姫なんて……似合わない気がする。


白雪姫のお話なら、七人の小人とかのほうが私っぽい。
プリンセスなんて、柄じゃない気がする。

……なんてことは、言えないけど。

私はカチューシャを付けて、二人を呼んだ。


「めっちゃかわいい!いいじゃん麻里花!頑張った甲斐があったわー」
「サイズとか大丈夫?一応採寸した通りには作ったけど……」
「うん!ぴったりだよ!ありがとう!」


えへへ、と笑って見せれば、二人もつられたように微笑む。

着替えて更衣室を出るとき、こう言われた。
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