君と一番の恋をする
「麻里花。次は侑人呼んできて!さっき演劇部の部室で良いマント見つけたんだよねー。借用許可もらったから、早速試着させなきゃ」
そのマントらしきものを紙袋に詰める二人に、私は返事をして扉を閉める。
そういえば、侑人ってたしか、シンデレラに出てくる王子様なんだっけ。侑人がプリンセスに靴を履かせるなんていうのは、ちょっと見てみたいかも―――。
そのときふと、あの日の光景が脳裏をよぎって、思わず廊下のど真ん中で立ち止まる。
侑人がまーほの肩を支えていた、あのときのことが。
ショックだった、というか。それによって陸人くんの気持ちを知ってしまったから……。二人の気持ちを叶えることは、どうしたってできないのが、辛い。
それに……陸人くんがまーほのことを好きだっていうのは……ちょっと、もやもやする。
恋もまともにできない私が、ちゃんと一人の人を好きな陸人くんに置いてかれたような気がするからなのかなって、勝手に結論付けた。
私は再び歩き出す。
とりあえず、全ては文化祭が終わってからだと思いながら。
そのマントらしきものを紙袋に詰める二人に、私は返事をして扉を閉める。
そういえば、侑人ってたしか、シンデレラに出てくる王子様なんだっけ。侑人がプリンセスに靴を履かせるなんていうのは、ちょっと見てみたいかも―――。
そのときふと、あの日の光景が脳裏をよぎって、思わず廊下のど真ん中で立ち止まる。
侑人がまーほの肩を支えていた、あのときのことが。
ショックだった、というか。それによって陸人くんの気持ちを知ってしまったから……。二人の気持ちを叶えることは、どうしたってできないのが、辛い。
それに……陸人くんがまーほのことを好きだっていうのは……ちょっと、もやもやする。
恋もまともにできない私が、ちゃんと一人の人を好きな陸人くんに置いてかれたような気がするからなのかなって、勝手に結論付けた。
私は再び歩き出す。
とりあえず、全ては文化祭が終わってからだと思いながら。