ワケアリ(オカルトファンタジー)
『私は貴方を殺します。 ペンは鋏よりも強し』
そんな手紙が私の家に届いたのは、報道陣の耳を切り落として暫く経ったある日のことだった。
そのまっ白の封筒は、切手も宛名も書かれておらず、ただ、中の紙にただ一行、そう書かれていた。
それと同時に、また遠くからあの人が願いを込めて文字を書き記しているのがわかる。
『鋏人間は俺の元にやって来る。だがしかし、俺には敵うまい。
この世の全てを支配する、俺の元に来た時こそ、ヤツの最後だ。
ヤツは、自分の愚かさに嘆き、自分を滅多刺しにして死ぬ』
手紙を見ていた私は、ビクン、と跳ねてそのまま硬直した。
あの人が、私の消滅を、願っている……―――?