ワケアリ(オカルトファンタジー)
そんな警察や教師のやり取りを聞き流しながら眩暈と吐き気に悩まされる茜は、白で統一された、自分の部屋に色合いは似ているものの、中身は全く異なる病院のベッドの上で横になりながら自分の不運に溜息をついた。
最初に、誰が。
そして、何故。
茜は警察の見解や、周りの生徒の証言など何一つ信じてはいなかった。
体験した自分だからこそ分かる、明確な殺意。
女とも男とも、同級生とも大人とも付かない手。
だがしかし茜はそこそこクラスでも人気があり、学年内でも友人は多い。
自分で言うのもなんだが、そこまで明確な殺意を抱かれる覚えなど、何一つなかった。
考えて、沈黙。
身体に不調があると、人間は一番の万能薬といわれる睡眠に抗えなくなる。
茜は目が回る視界を遮る為に目を閉じて、そんな答えのない疑問を考えながら、そのうち、ウトウトと眠り込んでしまった。
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