ワケアリ(オカルトファンタジー)


日焼けが嫌いな茜は日陰へと逃げるべく、車椅子を不慣れな手つきで動かした。


直後、ボールが勢いを付けて飛んできた。



「きゃあっ」



叫んで、無意識に頭を顔を腕で覆い隠したが、ボールは茜の傍を通り過ぎ、その後ろに立てかけられていた鉄パイプにぶつかって。


乾いた音と、悲鳴と、鈍い打音と、また、悲鳴。


潰れた、音。













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