ワケアリ(オカルトファンタジー)
「今日買い物に行ったらさ、俺よりも小さい子供がゲーム持って歩いてたんだよ、最新のヤツ!」
「…買わんぞ」
「要らないよ!でも何かさー、もっと子どもって外で遊ぶべきだと思うよ」
「お前もだろう」
「俺はいいの!」
子ども扱いされた事に不満そうに唇を尖らせながら、チェスは今日見かけた子どもの話の延長として話を続ける。
子どもはそんな機械で遊ぶべきではないだとか、もっと身体を動かしてあるべきだとか。
焦げ茶色の壁や床に、濃いオレンジの電灯。
時折聞こえる電車が天井の奥を走るその音と、その音に怯える調度品たち。
そんな少し変わった空間で、買い物の荷物を片付けながら語るチェスの話を聞いていたリオンは一通り聞き終わったあとで、論を始める。
「最近の子どもは、機械を好むな」
「ん?うん、そうだね。パソコンとかカッコイイからかな」
「すぐに電磁波で脳がヤラれるだろうな。そうなると、この国も徐々に秩序が乱れて崩壊していく」
口元にうっすらと笑みを漏らしながらリオンはそういって紅茶を啜る。