ワケアリ(オカルトファンタジー)



とりあえず、一向に収まらない口喧嘩に終止符を打つ為に、チェスは咳払いをして間に入ってみる事にした。



「で、フィンさんはどうしたんですか?リオン、さっさと聞いて帰ってもらった方が楽でしょ?」



「チェス君、最後のは俺に聞こえないように言ってくれないかな」



少し気に触ったのか眉が吊りあがったが、とりあえず話を聞いてもらえるのならばと、フィンはそれ以上何も言わずにリオンを伺い見る。


対するリオンは腑に落ちないと言いたげだが、チェスのいう事に納得したのか、盛大な溜息をついてまたそっぽを向いた。


とりあえず言うだけ言えばいい、という態度なのだろう。


それを見て取ったフィンは一つ咳払いをして、ようやく本題に入った。



「暫く泊めてくれ」












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