ワケアリ(オカルトファンタジー)
*
幼馴染だった、水鳥奏(ミドリカナデ)が死んだ。
飲酒運転をしていた車に撥ねられた。
部活帰り。
背が高く、髪を短く少年のようにしていた奏は遠くから見れば男のように見えた。バスケが好きな、女の子だった。
私、島内雛(シマウチヒナ)は彼女と一緒にバスケ部に入ったけど、身長も低いし、運動神経もよくはないので、マネージャーとして働いた。
奏のファンは多い。
いつも彼女がシュートを決めると、甲高い声援が響く。それに答えるように軽く手を振ってファンサービスを欠かさないから、ファンはどんどん増える。
いつだったか、「女たらし」と口を尖らせて、言ったことがある。
「妬いてんの?」
あはは、と笑いながら、奏は私の髪を撫でた。「大丈夫だよ」と、言いながら。
そう、私と奏は付き合っていた。ファン達には当然言っていないし、部活の友人達にも言っていない。
自然に幼馴染を演じていた。
幼馴染だった、水鳥奏(ミドリカナデ)が死んだ。
飲酒運転をしていた車に撥ねられた。
部活帰り。
背が高く、髪を短く少年のようにしていた奏は遠くから見れば男のように見えた。バスケが好きな、女の子だった。
私、島内雛(シマウチヒナ)は彼女と一緒にバスケ部に入ったけど、身長も低いし、運動神経もよくはないので、マネージャーとして働いた。
奏のファンは多い。
いつも彼女がシュートを決めると、甲高い声援が響く。それに答えるように軽く手を振ってファンサービスを欠かさないから、ファンはどんどん増える。
いつだったか、「女たらし」と口を尖らせて、言ったことがある。
「妬いてんの?」
あはは、と笑いながら、奏は私の髪を撫でた。「大丈夫だよ」と、言いながら。
そう、私と奏は付き合っていた。ファン達には当然言っていないし、部活の友人達にも言っていない。
自然に幼馴染を演じていた。