ワケアリ(オカルトファンタジー)
インターハイ。うちの部は負けた。
決勝でも準決勝でもなく、第一試合で。
奏の死で戦力は一気に落ちたし、チーム全体も動揺していて、集中できなかったこともあった。
試合に負けたことよりも、奏を失ったことが皆は辛かった。そして私はきっと誰よりも、その痛みを背負っていた。
『雛が帰ったって言ったら、血相変えて飛び出してったよ』
あの時、私が寛大に受け止めていれば、奏は死なずに済んだのだろうか。
私は、何度もそれを問いかけていた。試合結果など集中してみてはいなかった。
そこに奏はいない。
笛が鳴って、試合終了の合図が聞こえて、私は、記録表がまっ白な事に気付いた。
それから私は、学校に行かなくなった。