ワケアリ(オカルトファンタジー)
完成した紅茶を持って、それが何、と答えながら差し出す。
リオンは出された紅茶を一口のみ、その味に一つ頷いて(これは宜しい、の合図)その質問に答える。
「鈴は、昔から儀式によく使われていたんだ」
「…うん」
「あの音は不思議だと思って、考えてみた。漢字に当てはめると、血の輪、血輪(チリン)。巡ってくる意味がある」
「何が?」
「血は、縁(えにし)」
「……リオン、わからない」
「人の血と、人の心は、たまに理解の範疇を超える」
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