ワケアリ(オカルトファンタジー)
俺の専属編集者であり、俺の見張り役と言える。
日々、俺が滞りなく作品を書いているか、こうしてたまにお菓子を持っては現れて、他愛ない世間話をして帰っていくのである。
「なんか、聞いた話によると、自殺した子って苛められてた子が多いみたいですよ?」
「へぇ…じゃあそろそろ魔物が出てくるってわけか」
「えぇー、止めてくださいよ。誰が退治するんですか!」
「ヒロインかな」
そんな冗談を言い合って、ペンを走らせ、俺の仕事は進む。
進むが、どうしても続きが思い浮かばずに彼女の目を掻い潜って、俺は手を休めては別の事を考えていた。
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