ワケアリ(オカルトファンタジー)
*



「でね、張り込んでたマスコミ皆の耳が引き千切ぎれたんだって。噂じゃ、何か刃物みたいなもので切り取られたって言われてるけど」



「チェス、今は外に出るべきではない」



「え、なんで?」



「呪われる」



リオンは紅茶を啜りながらそう断言した。


この家は紅茶葉は大量に置かれてはいるが、食料となると少し買い足さねばならないほどに減っている。


身支度を整えながら最近のニュースを語って聞かせていたチェスは、リオンの突然の外出禁止令に首を傾げた。


いつもなら何も言わないのに、今日だけはいつになく大真面目に断言している。



「呪われる?」



「この店は結界を張っているから被害を被りはしないが…もしもチェスに共通点があれば殺される」



「何の話?」



「あの万年筆は、書かれた文字が現実として起こる、呪われた万年筆だ」



一瞬の沈黙。


そして、



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