ワケアリ(オカルトファンタジー)
「えっ!そうだったの!?」
「だからここから出てはいけない」
「ご飯はどうするのさ?」
「紅茶がある」
「いや、無理。リオンに出来ても俺は無理!」
育ち盛りのチェスはリオンより背は低いとはいえ伸び盛り食べ盛りだ。
そんな彼に紅茶だけで数日を過ごさねばならないなんて言うのは、酷な話である。
リオンは暫く何かを思案するように口元に手を当てて硬直している。
「早く終わらせるならば、どちらも止める必要がある」
「どちらも?」
「どちらも」
そういって、リオンは立ち上がると書斎へと入っていった。
そこにあるのは大量の本棚と、大量の本。そして一つの机。
そこから白い羽ペンとレターセットを取り出すと、リオンはなにやら書きだし始めた。
「誰に手紙を書くのさ?」
「呪われた、二人。…ペンは剣より強し」
*