ワケアリ(オカルトファンタジー)
そして、俺は、書いた。
もう自分のペンで書いたことが現実になるというくらい分かっている。
自分の家の前で一斉に耳を引き千切れ、絶叫を上げながらのた打ち回り、カメラが割れ、コンクリートのその道は一面を赤に染める光景を見てしまえば、嫌でも気付く。
自分の書いたことが、現実になった。
全国の、この世に恨みを持っていた女子生徒が死んで行った。異界への入り口は開かれて、魔物たちが現われ、少女の復讐を果たす。
俺は今書き終えて、一人ソファに座っている。電気もつけずに座っている。
自信があった。
先手を取れる自分を鋏人間が勝てるわけがない。
俺はまっさらな封筒に入れられていた一枚の紙をもう一度読み直した。