ワケアリ(オカルトファンタジー)
フッ、と鼻で笑った。来るなら来い。
お前が来た時、それはお前が死ぬという事だ。
そして、その日の夜。
チャイムが鳴った。
随分と鳴る事のなくなったチャイム。
それが返答を待ちきれないかのように、もう一度鳴る。
ピンポーン
俺は、出ない。
すぐに自分で自分を滅多刺しにして死に絶えるだろう。
それを見ようと、俺はドアについている覗き穴を覗き込む。
しかしそこには何も映ってはいなかった。きっと外の電気が切れているのだろう。
こんな時に…、俺は小さく舌打ちをしながらどうにか見えないものかと目を細めたり、少し方向をずらしたりしてその穴を見据えた。
しかしどうしても、見えない。
諦めようかと顔を離そうとした、瞬間。