明日がくる前に、君に「好き」って言いたくて。
「彼女さんがいるのに告白だなんて、迷惑だってわかってる。でも、この気持ちはどうしても、ちゃんと東雲くんに伝えたかった。わざわざここに来て、話を聞いてくれて、本当にうれしかった。ありがとう……っ」


最後は笑顔でお礼を言うはずだったのに。


目を細めたとたん、ギリギリでせき止めていたはずの涙が、つうっと頬を流れていく。


叶わなかった恋の終わりって、こんなにも切なくて、胸が張り裂けそうになるものなんだ。


けど、ちゃんと気持ちを伝えられたおかげで、心がいくぶんかスッキリしていた。


これでもう悔いはない。


今後、私は陰ながら彼の幸せを願っていよう。


「聞いてくれてありがとう、東雲くん。じゃあまた、2学期でね……!」


そのままくるりときびすを返して、中庭を出ようと歩き出したその時。


「――待てよ!」


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