明日がくる前に、君に「好き」って言いたくて。
急に背後からがしっと腕をつかまれて、ぐんと後ろに引っ張られた。


「うわっ!」


突然のことにおどろいて後ろを振り返ると、真剣な顔をした東雲くんが、こちらをじっと見つめている。


「それ、内海の勘違い。俺に彼女なんていないから」

「えっ……?」


衝撃の新事実に、思わず涙が引っ込んでしまう。


「内海が見たの、俺のいとこ。あの日、親戚で集まりがあって、親に買い出しを頼まれたから、2人で出かけてたんだよ」

「そ、そうなの?」


いまいち信じられなくて聞き返す私に、東雲くんは「そうだよ」うなずいた。


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