*クモリガラス*
え?
ええっ!?
マネージャーさんらしき子と話を終えた滝沢くんが
フッとこっちの窓を見上げて…
わ、笑って手振ってる??
え…私??
そんなわけない!
でもっ!
私は急に恥ずかしくなって、思わず開けていた窓を閉めた。
そしたら目の前の窓に、さっき書いてたいつもの文字が!
『スキ』
わーっ!ちょっと待って!
こんな小さな文字、向こうから読めるわけもないのに
慌てて手でこすったら、まるで滝沢くんに手を振り返したように見えてしまって。
ひっ!わぁ〜っ!!
チガウ!ちがうんですーっ!!
どうしようもなくなった私は、とにかくすぐ帰ろうと鞄を握った。
玄関なんかで
顔を合わせませんように。
どうか…
バレてませんように。
ガシャーん!
ひえぇぇぇぇぇっ〜