*クモリガラス*
はぁ…はぁ…
玄関を飛び出してから、我に返って後ろを振り返る。
冷静になれば、どう見ても失礼だった態度。
滝沢くん、笑ってくれたのに
なんで出て来ちゃったんだろ〜…
今ごろになって、全身に熱が込み上げてくる。
せっかく話しかけてもらったのに。
こんな機会なんて
もうないかもしれないのに。
でも、とても普通でなんていられなかった。
どっきんどっきん
頭から足の先まで震えるし。
何を聞かれてるのかも、いまいち理解できなかったし。
「きっと変な奴って思われた〜」
一人落ち込む私。
そこに…
「あれ〜?
蓮ってば教室まで行ったのかなー」