昨日まで幼なじみだった君と、今日出会い直しました。


  ***


「――どういうつもりなの?」
「初めまして、本山綾人です」


 私は、大学のカフェテリアではない駅前の可愛い喫茶店だった。彼はいきなり自己紹介を始めた。……なんなの?


「ん? マッチングアプリで検索したら、カフェとかがオススメだって書いてあったから」
「そうじゃなくて……っ! 私は、幼なじみ離れがしたいの! 今まで、綾人に頼りすぎてたと思って」


 いつも、私は好きなのに幼なじみというポジションを利用して彼に甘え、頼ってきた。好きな人がいるって聞いて、もう一緒には隣にはいられないんだって思ったから交流サイトに登録したのに。

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