昨日まで幼なじみだった君と、今日出会い直しました。



「頼りすぎってのは、置いといて……どういうつもりなのかという答えだけどね。俺は、芽依と幼なじみ辞めようと思ってね」
「……っ、幼なじみを、辞める……?」


 私は……幼なじみを辞めたいわけじゃない。けど綾人はもう、幼なじみという肩書きもなくしたいってことだよね。


「あ、言い方悪かった。俺は芽依と、出会い直したいんだ」
「……出会い直す?」
「俺は、ずっと芽依が好きだった。だけど何年経っても芽依は気づいてくれなかった。だから、芽依がサイト始めるってきいて焦った。それで、芽依を探してメッセージを送ったんだよ。出会いから始めたい。幼なじみの綾人じゃなくて、同じ大学の同級生・本山綾人として百々瀬芽依に出会いたい」


 それは幼なじみとしての綾人の顔じゃなくて男の顔だった。


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