余命宣告された私が、君に送る最期のメッセージ
私は、成橋芭柚(なるはし はゆ)。

実はもう死ぬんだ、私。

余命10年と宣告されてから10年。

つまり私は、今年中に旅立つ。

余命宣告されてから恋人も捨てた。

友達も捨てた。

仕事も捨てた。

プライドも捨てた。

だからもう、怖いものなんてない。

そう思っていたのに、唯一手放せないものがあった。

それは、幼児からの幼なじみ、蓮透(れんと)の存在だった。

彼は、私に病気が確認されても、
意地でも私のそばから離れることはなかった。

そんな彼には、
今までの感謝を手紙に残したいと思った。

これから下は、私から蓮透への手紙です。

最後に、蓮透に送る手紙の表紙に名前と共に一言付け加えた。

『 これは芭柚の遺書ですが、私の大好きな幼なじみの蓮透だけ読んでね。 』




20〇〇.07.29 成橋芭柚は、蓮透の誕生日に、この世界から旅立った__。
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