【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

驚くほどにヤナの妄想が現実と一致するだが、ここは誤魔化した方がいいだろうと思い、レオナルドとのやり取りは黙っていることにした。
フランチェスカの反応が気になるのかヤナは「怪しいです」と言いながら顎を押さえている。


「あのね、ヤナ。恥ずかしいけれど、緊張して転んでしまったの。だからヤナが思っているようなことはないわ」

「そうなのですか。残念ですがフランチェスカお嬢様に怪我がなくてよかったです。気をつけてくださいね」

「えぇ、やっぱりエディマーレ男爵領ばかりでなく、色々なお茶会やパーティーに顔を出さないとだめね」

「ちなみに素敵な方に助けていただいたりとかは……」


その言葉にレオナルドの顔を思い浮かべたが、それを掻き消すようにフランチェスカは首を横に振った。
それに令息達が波のように押し寄せてくるせいで、ひとりひとりとゆっくり話をする時間もなかった。


「いいえ、残念ながら」

「あーん！フランチェスカお嬢様ならば絶対にいい方と出会えると思ったのですが……それこそレオナルド殿下だってお嬢様の魅力に釣られて話しかけてくると思ったのです！」

「……。ヤナのその自信はどこからくるのよ」

「ヤナの勘ですぅ」