【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

ヤナは残念そうに頬を膨らませている。
最近、ヤナの勘が怖い。
未来が見えているのかと思えるほどによく当たる。
フランチェスカはあることを思い出す。


「ねぇ、ヤナ。聞きたいことがあるのだけれど」

「なんでしょうか？」

「ヤナは王都に住んでいたんでしょう？オルランド公爵家のキャシディ様のことについてなんだけど何か知らない？」


フランチェスカがキャシディの名前を出した途端にヤナな表情が暗くなる。
フランチェスカはヤナにキャシディの噂について教えて欲しいというと、ヤナは「フランチェスカ様は聞いたことないですか？」と言って驚いている。


「どういうこと？」

「キャシディ様に楯突くと聖獣と共に消されるって有名な話みたいですよ？」

「え……？」

「実際に何人かの御令嬢が社交界に出てこなかったらしいです。色々な噂がありますけど、キャシディ様の聖獣マレーの能力じゃないかって言われてるんです。グレイシャー様も近づかないのがその証拠とも言われていて……」

「そうだったの……」