【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「グレイシャーは確かにレオナルド殿下といることが多いけど、コルビン殿下のお願いも聞かないわけではない。コルビン殿下は一週間程、お忍びで滞在するからその間にグレイシャーの治療を行えばいい」

「……ほんと?」

「これはその承諾の手紙だよ」


マラキの言葉を聞いて、フランチェスカは思いきりマラキに抱きついた。


「ありがとう、マラキ!」

「いいよ。姉上とシュネーは僕の命の恩人だよ。姉上が困っていたら僕が助けるから」


マラキが立派に育ってくれたことに感謝しつつ、フランチェスカはシュネーと共にグレイシャーを迎える日までしっかりと体力をつけていた。
エディマーレ男爵家全体でコルビンとグレイシャーを迎える準備をしていた。

そしてコルビンとグレイシャーがやってくる日を迎えた。
フランチェスカはシュネーと共にグレイシャーが来るのを今か今かと待っていた。
豪華な王家の馬車が青々とした景色の中、列を作ってこちらに向かっでくるのが見える。

グレイシャー専用の荷馬車にはいつもと違い、布で覆い隠されていた。
シュネーがすぐにグレイシャーの元に駆け寄って布を取り去ろうとしている。
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