【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「そのままの意味だよ。僕が自分からコルビンに同行したいと申し出たんだ。その理由はグレイシャーも心配だったのもあるが君に会いたかったからだ」
「……ご冗談を」
「俺はずっと君のことが気になっていた。フランチェスカ嬢」
思わぬ不意打ちに戸惑うフランチェスカの目の前に膝をついたレオナルドはフランチェスカの手を取った。
二人の間には風が吹き抜けて髪を揺らした。
両親をそれを見て手を合わせて驚いている。
(まさか力のことがバレたの?でもそんなはずはないわ。あの時、誰もいなかったはず……!)
グレイシャーがバラしたりしないことはないことは確かだ。
フランチェスカは以前の記憶含めて、グレイシャーの気高い性格をよく知っているし、レオナルドにフランチェスカのことを的確に伝えるのは不可能だろう。
真っ直ぐにこちらを見て何も言わないレオナルドにフランチェスカはどう対応しようか迷っていると……。
ペチャという音と共にレオナルドの顔面にシュネーが飛び掛かる。
そしてレオナルドの顔に張りついたまま動かなくなってしまった。
それにはグレイシャーも驚いているのか耳と尻尾がピンと立てている。
フランチェスカは反射的にシュネーを引き剥がそうとするがなかなか離れない。
奥から父と母の悲鳴が聞こえたような気がした。