【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
レオナルドに近くにいられたら力を使えない。
マラキがコルビンの相手をしている間にシュネーと治療しようと思っていた計画は見事に崩れてしまったようだ
『俺はずっと君のことが気になっていた。フランチェスカ嬢』
レオナルドがどうしてフランチェスカを気にしているのかはわからない。

(やっぱりテラスの柵から飛び降りたのが失敗だったのかしら……それで印象に残ってしまったとか?)

フランチェスカは戸惑いを隠せなかった。それに今更追い返すこともできまない。
父にフランチェスカがあわよくば王太子の婚約者に、と言われるかと思いきやそれはないようだ。
レオナルドが来たことでプレッシャーを感じているのか胃を押さえながらガタガタと震えている。

手紙の内容が気になるところではあるが、普段穏やかで何事にも動じない父がこうなるほとだ。
余程のことなのだろう。
確かに二人の王子と国を守る要であるグレイシャーが出かけるとなれば心配にもなるだろう。
フランチェスカはレオナルドとコルビンをゲストルームへと案内する。
二人に部屋の説明をして荷物を置いている間、隣にいるヤナがドヤ顔でフランチェスカの肩をつついている。
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