【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます


「エディマーレ男爵達にも黙っているのか?」

「はい……もしこの力がバレたら私達はここにいられなくなります。私は慎ましく暮らしていけたらそれでいいんです」


レオナルドはフランチェスカの言葉に納得したのか静かに頷いた。
そしてシュネーと共にグレイシャーに寄り添い力を使う。
金色の光が周囲に降り注いだ。
どのくらい時間が経ったのだろうか。
この間のように倒れる訳にはいかないと、動けなくなるまで力を使うことはなかった。

フランチェスカが暑さに手をパタパタと仰いでいると、目の前に差し出されるハンカチ。
遠慮しているとレオナルドはフランチェスカの汗ばんだ額を拭った。


「君の力は美しいな」

「……っ!?」

「こんな風にグレイシャーを元気にしてくれたのか。本当にありがとう」

「い、いえ……恐らくレオナルド殿下達が滞在する一週間ほどで完治すると思います」

「そうか!ああ、よかった」


フランチェスカはレオナルドの優しい笑顔を見て赤くなった顔を隠すように俯いた。
そしてシュネーにブラシを持ってきてもらいグレイシャーの毛をブラッシングしながらレオナルドと話をしていた。
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