【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
レオナルドの言葉にフランチェスカは警戒心を抱いた。
力がわかった途端、好意を伝えてくるのは何が裏があるのではないかと思ったからだ。
フランチェスカの固くなった表情を見たレオナルドはフランチェスカの心の中を見透かしたように言った。
「勘違いしてほしくはないが、フランチェスカ嬢にこの力があったからではない」
「え……?」
「以前も言ったが、契約の儀の時からずっと君のことが気になっていた」
「六年前の?」
「ああ、フランチェスカ嬢に惹かれてる自分がいる」
『グルル……』
「わかっている、グレイシャー。これ以上、フランチェスカ嬢を困らせるなって言っているんだろう?」
レオナルドはグレイシャーの頬を撫でている。
彼のはにかむような笑顔が大好きだったことを思い出していた。
そしてグレイシャーは『その通りだ』と言わんばかりにフンと鼻息を吐き出した。
「兄上……?グレイシャー、どこだ?」
遠くからコルビンがレオナルドとグレイシャーを探す声が耳に届いた。