【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
こうして時が戻る前はフランチェスカは余裕もなく、レオナルドを頼ってばかりいた。
離れることが互いにとって一番いいことだと思い込んでいたフランチェスカにとって、どうすればいいかわからない。

(レオナルド殿下は本当に私のことを……？)

フランチェスカが考え込んでいるとレオナルドがグレイシャーを連れて歩いてくるのが見えた。
グレイシャーが歩けるようになったことに喜びを感じていた。
レオナルドがフランチェスカに気がついたのか手を振った。
フランチェスカはレオナルドに手を振りかえそうとしたが、先程のコルビンの言葉を思い出していた。
急にレオナルドのことを意識してしまい、フランチェスカは距離を取るように後ろに下がる。
そのことにショックを受けたのかレオナルドはピタリと足を止めた。
グレイシャーはフランチェスカにすり寄るようにしてやってきた。


「グレイシャー……」


フランチェスカは誤魔化すようにグレイシャーに寄り添った。
遠くの方からシュネーが走ってくるのが見えた。
それを追ってコルビンとマラキがやってくる。
シュネーはグレイシャーと鼻で挨拶をした後に白銀の毛の中に埋もれてしまう。
ひょこりと顔を出したシュネーが可愛すぎて、フランチェスカが微笑んでいると……。
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