【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「今日でここに滞在するのも最後になる。その前にフランチェスカ嬢と話をしたいのだが、いいだろうか?」
「……はい」
レオナルドがあまりにも真剣な顔で言うのでフランチェスカは思わず頷いてしまう。
コルビンとマラキは気を利かせたのか「シュネーとグレイシャーはオレ達が預かるから、ゆっくり話しなよ」と言ってニカッと笑った。
レオナルドはコルビンの言葉と行動で察したのだろう。
手のひらで頭を押さえている。
しかしレオナルドはそっとフランチェスカの前に手を伸ばした。
フランチェスカはレオナルドが何を言うつもりかが気になり手を握る。
エスコートを受けつつも、エディマーレ男爵邸へと戻り花が咲き誇る中庭のベンチに二人で腰掛けた。
暫く沈黙が続き、レオナルドが口を開く。
「急にすまない。王都に帰る前にどうしても君に伝えたいことがあった」
「なんでしょうか?」
真っ直ぐにフランチェスカを見つめるスカイブルーの瞳を見て、フランチェスカの心臓はドキドキと音を立てた。
「フランチェスカ嬢、俺は君のことが好きだ」
「……っ!」