【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

フランチェスカはコルビン達の様子を見てそう思っていた。
そしてフランチェスカがコルビンとマラキの話をしているとキャシディは興味がないのか困惑した様子で半ばめんどくさそうに話を聞いている。
最終的にはには「そろそろ帰った方がいいんじゃないかしら？エディマーレ男爵領までは遠いでしょう」と言われてフランチェスカは「そうですわね！」と手を合わせて頷いた。
キャシディの小さな溜息が耳に届いた。

(よかったわ……とりあえずは疑われずに済んだみたい)

フランチェスカがキャシディに笑顔で挨拶をして背を向けた瞬間だった。


「だったら、どうして元気になったの？もう少しで潰せるだったのに……」


フランチェスカはその言葉にキャシディの方を振り向いた。
そして彼女と目が合ってハッとしたフランチェスカは誤魔化すように笑顔にキャシディに手を振って馬車に乗り込んだ。
平然を装っていたが、心臓はドクドクと音を立てていた。
普通ならばわからないキャシディが言った言葉の意味がわかってしまったからだ。
どうして元気になったの、というキャシディの発言から読み取れるのは何故グレイシャーの体調が回復したのか、ということに繋がらないだろうか。