【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
フランチェスカは身近でレオナルドを見ていたから、その忙しさはよく知っている。
いくらグレイシャーのためだからといって、こんなところに来るはずがないと思っていたフランチェスカだったが、またまた予想外のことが起こる。
イグナシオに手紙を送った数日後、フランチェスカはエディマーレ男爵邸の前に止まった見覚えのない馬車を見て首を捻る。
誰かを呼んでこようと背を向けて邸に入ろうとした時だった。
「フランチェスカ嬢、急にすまない……!」
「……え?」
自分の耳を疑った。
振り返るとそこには銀色のウェーブがかかった髪で前が見えなそうな眼鏡をかけた青年がいた。
「俺だ」
「ま、まさかレオナルド殿下ですか!?」
レオナルドは髪を掻き上げるようにすると素顔を露わになり、眼鏡を取った。中から出てきたのは変装したレオナルドの姿だった。
「どう、して……?」
この国の王太子である彼が何故、このような格好でここにいるのか、フランチェスカは空いた口が塞がらなかった。
「こうして変装して街の様子を見に行くことがある。よくコルビンに土産を買うんだ」
フランチェスカはまたひとつ、レオナルドの知らない一面を知ったような気がした。
フランチェスカがレオナルドの婚約者だった時、城に篭りきりのフランチェスカに花やお菓子などを持ってきてくれたことを思い出していた。
いくらグレイシャーのためだからといって、こんなところに来るはずがないと思っていたフランチェスカだったが、またまた予想外のことが起こる。
イグナシオに手紙を送った数日後、フランチェスカはエディマーレ男爵邸の前に止まった見覚えのない馬車を見て首を捻る。
誰かを呼んでこようと背を向けて邸に入ろうとした時だった。
「フランチェスカ嬢、急にすまない……!」
「……え?」
自分の耳を疑った。
振り返るとそこには銀色のウェーブがかかった髪で前が見えなそうな眼鏡をかけた青年がいた。
「俺だ」
「ま、まさかレオナルド殿下ですか!?」
レオナルドは髪を掻き上げるようにすると素顔を露わになり、眼鏡を取った。中から出てきたのは変装したレオナルドの姿だった。
「どう、して……?」
この国の王太子である彼が何故、このような格好でここにいるのか、フランチェスカは空いた口が塞がらなかった。
「こうして変装して街の様子を見に行くことがある。よくコルビンに土産を買うんだ」
フランチェスカはまたひとつ、レオナルドの知らない一面を知ったような気がした。
フランチェスカがレオナルドの婚約者だった時、城に篭りきりのフランチェスカに花やお菓子などを持ってきてくれたことを思い出していた。